外務省のクリスティーナ・キルチネル大統領(アルゼンチン)描写-修正要請顛末

昨秋見た映画「国境の南」では、ネストル/クリスティーナ・キルチネル(前/現大統領)夫妻に大いに好感を持ったものだった。
しかしその後、外務省ウェブサイトにクリスティーナ・キルチネル大統領の横顔として、「性格的に我が強く自分の信念を最後まで貫くなど、党内では独断専行的存在である。」という、実に失礼な件があることを見つけた。そこで、一旦は外務省にクレームしようと考えたが、一個人では相手にされないだろうと思い直し、アルゼンチン大使館にメールした。少々長めの文面で、「明らかに独裁者的イメージを抱かせるネガティブな表現です。外務省に件の不適切な文言を撤回するよう要請するべきだと思います」と。
それが昨年末のことだったが、年明けしばらくして、そのご返事を頂くことができた。私の意を汲んで頂き、外務省に修正要請するとの内容だった。さっそく外務省ウェブを見てみると、果たして修正されていた。次の部分が削除されている。

性格的に我が強く自分の信念を最後まで貫くなど、党内では独断専行的存在である。ほとんどの重要法案を取り扱う憲法委員会の委員長を務め、国会における発言力も強く、常に注目されている議員の一人で、大統領夫人であるよりも議員としての立場を優先していた。


おそらく外務省は、反米姿勢がはっきりしているキルチネル氏を突っ突きたくて、当初こんな風に書いたのだと推察される。まったく情けない。それで「瑣末なこと」と放って置くわけにはいかなかった次第である。
一方、ほどなくこんなニュースが流れた。

2011/01/19
強制わいせつの事件について、逮捕されたアルゼンチン人の男は一旦不起訴になったが、検察は検察審査会の議決を受けて一転して起訴になった。しかし、男が帰国した後で裁判を開く見通しはたっておらず、被害者の女性は検察の姿勢に大きな不信感を抱いている。

NHKニュースおはよう日本

被害者の怒りは察して余りあるが、元々は昨秋報じられた事件である。今回のニュースでは被害者の方のインタビューもあり、事件の理不尽さが改めて浮き彫りにされたが、何故このタイミングで再び報じたのか。
おそらく、沖縄在留米兵による同様の事件だって幾つも起きているはずだ。だが、それが今回のように報じられることは殆どない。
つまりこれは、アルゼンチン大使館に面子を潰された外務省の意趣返しではないのか。「カワイイ大使」など、何かと次元の低さが目に付く外務省だから、ついそう思ってしまう。
そうかと思うと、こんなニュースも。

2011/01/22
BBCが声明出し謝罪

イギリスの公共放送・BBCが、コメディー番組の中で、広島と長崎の両方で原爆の被害に遭った被爆者の男性を「世界一不運な男」などと取り上げ、ロンドンの日本大使館が抗議していた問題で、BBCは21日、声明を出し、「日本の方の気分を害し、申し訳ない」と謝罪しました。

NHKニュース

被害者男性のご遺族の方だったか、「原爆落としたり、核を持っている国から『運が悪い』などと言われたくない」と憤りを露わにしていた。当然だろう。日本大使館の抗議は全く正しい。これもアルゼンチン大使館を見習ってのことだと、勝手に思うことにしたい;)

参考 :
「国境の南」"South of the Border"(監督:オリバー・ストーン)
ラ米女性大統領リスト(その3 )クリスティーナ・フェルナンデス:2007年アルゼンチン大統領(ラテンアメリカから見ると)