週刊金曜日3/26号-「山口二郎の政治時評」
このところ、民主党および鳩山政権に対する世論は日に日に悪化しているという印象である...
高い目標を設定したのはよいが、それを実現するためにどのような努力を払ったのか、さっぱり見えてこない。
参議院選挙で...公明党と手を組む動きが露骨になってきた。ご都合主義もいい加減にしてほしい。公明党は自民党と組んでさまざまな悪政を推進してきた...数を確保するためなら何でもするというのでは、自民党と同じである...
何より重要なのは、民主党が正直になることである。
この半年の政権運営を虚心に振り返り、達成できた政策や変革は何だったのか、政権を取って初めて分かった困難はどんなことだったのか、さらにマニフェストで訴えた政策の中で何がそもそも実行不可能だったのかといった問題を、自らが点検し、謙虚に国民に申告することこそ、今の民主党の最大の課題である...
実に的を射ていると思う。しかし、マスコミがこんな指摘をすることはない。そのせいでもないだろうが、民主党が山口氏の批判に耳を傾けることもないだろう。そして、私のような一般人は何故そうなってしまうのか分からないまま、「世の中そういうものなんだろう」で終わってしまうのである。会社生活と同じだ。
民度の低い国でよく見られる風景なのだろうが、この際、大学等での研究分野として「不正直に至るメカニズム」を採り上げてほしいものだ。