2010年02月

金沢大学付属病院-医療ミス問題

今日のテレビ朝日-サンデープロジェクトで、金沢大学付属病院の医療ミスを取り上げていた。
亡くなってしまった患者の遺族が「医療ミスのせいだ!」と怒りの訴訟を起こし、打出喜義という医師の内部告発によって患者側は勝訴した。しかし、打出氏は病院から完全に干されてしまう。
上司の教授が「そういう(内部告発するような)人とは一緒に仕事したくない」と辞職を迫っている録音テープも流されていた。
堪りかねた打出氏は大学のハラスメント委員会に訴えるが、その対応も「やっぱり」というものだった。「ハラスメントがあったことは認めるが、この件は一切口外しないように」と口を封じたのである。
番組を詳しく見ていたわけではないが、打出氏は、こんな当たり前の良心が否定されて、簡単に屈するわけにはいかないとの思いなのだと察する。
取材者は対策として、病院側への罰則を設けることを挙げていたが、そんなことで改まりはしないと思う。
いつかの食品偽装やNHK番組改竄問題で内部告発した人たちも理不尽な目に遭っている。イラク開戦に反対した天木氏にしても同じことだ。要するに日本社会に蔓延している病理と言っていいのではないか。
「所詮人間はエラくなると腐るもの」、「腐った人間じゃないとエラくなれない」などと片付けて済む話ではないと思う。

そう言えば、先日の天木氏メルマガNo.55も「日本という国は、ひょっとしたら恐ろしくモラルの低い国かもしれない。欺瞞に満ちた国かもしれない。」と結ばれていた。

米議会公聴会でのトヨタ叩き-リコール問題

NHK7時のニュースを見ていたら、米議会の公聴会でトヨタがけちょんけちょんに叩かれていた。
半ば芝居がかって見えたが、自分をまるで棚上げして言いたい放題のこんな米国には呆れるばかり-というより全く不快だ。新自由主義の塊だった奥田碩氏(トヨタ元社長/元経団連会長)はまるで気に食わないが、それとこれとは別の話である。
仕事でしくじった部下(トヨタ)を上司(米国)がイジメ抜く-そんな構図だ。
しくじった「部下」は確かに悪いが、それを極端に叱っている「上司」は一体どんな輩であるか?-自分の犯したミスを謙虚に認めて謝ったことがあるか?イラク/アフガニスタンでの市民殺戮、日本でも繰り返される米兵による市民への暴行/殺傷...こんなことは言うまでもないが、「遺憾ながら、ある程度の犠牲はやむを得ない」せいぜいそんなところだろう。その米国がモラルを楯に公聴会でトヨタを罵るのだから恐れ入る。
だいたい、「リーマン・ショック」とやらで世界の経済をメチャクチャにした米国こそ、彼方此方の国に呼び出されて説明/謝罪させられるのが筋というものではないか。
何故そうならないのかと言えば、今だに誰も米国に頭が上がらないから。逆らえばイラクのようになってしまう。あるいはキューバのように...しかしそれでいいのか?!
さながら召使のように「公聴会での豊田社長の対応が注目されます」などと、一言の米国批判もないNHK。
「卑しい生き方をするくらいなら、貧乏でもいい」と米国に毅然と対峙するキューバ。対して、「貧乏はイヤだから、魂売ります」と、いともアッサリの日本...あまりに情けない。

平野官房長官-普天間基地移設問題(2)

20日に会談した仲井眞沖縄県知事と平野官房長官。次のようなやり取りがあったらしい。
「県外移設がベストだ」(仲井眞知事)。
「常にベストを求めていくが、ベターになるかもしれない」(平野長官)。
米国に圧されるまま県内移設の可能性を示唆し、そのくせ「米国と内々に(そのような)交渉をしてはいない」などと言い訳していた。併せて鳩山首相、福島大臣や野党らの「脊髄反射」コメントを報じていたが、抽象的な物言いに終始するだけのニュースを一体いつまで流し続けるのか。つまり、概要でいいから以下について国民に知らせるべきだろう。

①プラン(その1)から(そのxx)まで、いくつか検討しているであろう具体的な案
②それらの案について、どういう人や組織と検討、交渉しているのか
③その検討、交渉の進捗状況
④進捗状況を踏まえての今後の方針

これくらい語って当然ではないだろうか。政府に喋る気がなくても、記者がこれらを質す場面を報じるくらいはできるはずだ。
それすら皆無といういうのは、要するに国民はナメられているのだ。
この件に限らず、現在進行中のプロセスを政府与党は語るべきだと思う。

人命救助-線路に転落の女性、助かる

JR高円寺駅で、ホームから線路に転落した人をとっさの機転で救ったというニュースがあった。電車が来る直前のことだった。落ちた女性(20)は酒に酔っていたらしい。それを目撃した男性(24)が線路に飛び降りたが、担ぎ出す時間はないと察して女性を線路の間に寝かせ、自分はホーム下の退避エリアに駆け込んだという。1分後に電車が女性の上を通過して行ったが、2人とも轢かれずに済んだ。電車の最下部と線路の間には約30センチの空間があるとのこと。
助けた男性は「自分で言うのもなんだけど、大層なことをやったなという思いです(笑」とインタビューに答えていた。
拍手喝采。なぜか映画「タクシードライバー」を思い出した。

実は私も「通勤ラッシュ時など、自分もホームから落ちないとも限らない。その時電車が来たら線路の間に伏せればいいか?いや、頭がぶつかってしまうか?」などと時々思っていたが、伏せればギリギリ助かることがこれで分かった。
それにしても、鉄道会社は今回のような対処方法を改めて周知すべきだろう。

※その後、専門家から「小柄な人じゃないと線路に伏せてもまず助からない」との指摘があった。

奴隷根性/居候根性

かつて、麻薬所持で逮捕された俳優・勝新太郎に非難轟々だったとき、筑紫哲也氏が「どうして役者にモラルの模範など求めるのか」と言っていた。
朝青龍、小沢一郎氏についても同じこと-ではないだろうが、非難する側の大方の心理はおそらく同じ気がする。
そう思っていたら、今度は五輪・スノーボード選手の国母という若者だ。
「国の代表のくせに服装がなってない、出場辞退しろ!」と批判殺到らしい。
なぜかイラク人質事件でのバッシングの嵐を思い出した。
橋下知事を面と向かって批判した若い女性職員が叩かれたこともあった。
人質事件のときは、公明党の冬柴鉄三氏が「一体いくら税金使ったと思ってるンですかッ!」と声を震わせていた。「クズ鉄」の真骨頂である。一方、米国のコリン・パウエル氏は「危険を覚悟で人道的な活動に臨んだ彼らを日本人は誇りに思うべきだ」と語っていた。当たり前だろう。