2010年01月

NHK-追跡!AtoZ「問われる日本人の“言語力”」

以前放送されたクローズアップ現代「“言語力”が危ない~衰える 話す書く力~」の続編であろうか。
「クロ現」は問題提起の仕方がおかしいと思ったが、今回の方にも「追跡不足」を感じた。

かつて80年代半ば、「ジャパン・アズ・No.1」などという本が話題になっていた頃、企業のトップは檄を飛ばしていた-欧米のモノマネで済む時代は終わった。これからは独創性だ!-
だが、そんなトップの多くには、出る杭を打つ日本の伝統風土や徹底した上位下達の企業論理などと独創性が全く相容れないものであるとの自覚がなかった。会社などで何か独創的な仕事をしようと時間を使おうものなら、すぐに「遊んでるんじゃないよ、仕事しろよ」と邪魔されたに決まっている。「アイディア練るなんてのは、往き帰りの電車の中でやれよ」と。
何故そうなるのかと言えば、企業のトップ自身にそんな独創的な仕事をした経験がないからだ。だから独創に必要な環境がどういうものかも分からず、その邪魔立てするものに大鉈振うこともない。結局相も変わらず、「考えるな!」という態度で命じる上司に従順なだけの、独創の「ど」の字もない社員だらけにしてきたのである。まさに「問われる日本人の“独創力”」という状況。

平野官房長官-普天間基地移設問題

「市長との合意は要らないが、アメリカとの合意は守るという。一体、平野長官の目線は何処にあるのか?」
名護市長に当選した稲嶺氏が今しがたテレビで話していた。
この平野氏、まるで自公の体質そのものだ。天木氏によれば、鳩山首相の思いを代弁しているとのことだが。
それにしても、バレバレの本音を隠し、建前ばかりを語る。
それに嫌気がさして国民が政権交代を選んだことを全く分かっていないようだ。
本来なら「米国のプレッシャーがすごくて大変なんですよ。おまけに外務、防衛官僚も米国かぶればっかりで全然言うこと聞かなくてねぇ。なんとか助けてくださいよ、みなさん!」と呼びかけないといけない。

足利事件~小沢氏問題

足利事件で濡れ衣着せられ、DNA再鑑定で無罪が認められるまで17年間投獄された菅家利和氏。
昨日のニュースでは当時の検事、森川大司氏と再公判で対峙した時の様子が報じられていた。
再三謝罪を求める菅谷氏に、森川氏は厳粛に深刻に受け止めているとは繰り返すものの、ついに謝ることはなかった。怒りが収まらない菅谷氏。当然である。
「森川さんね...立場を逆に考えてください。お願いします」
それでも森川氏は謝らない。
その後「謝罪によって大きな賠償問題に発展することを恐れたのではないか」との解説が流れたが、そういうことだろう。
今起きている問題あれこれの縮図を見る思いがする。後ろ盾のない、立場が弱い側と権力側のと間で延々と繰り返されてきたことだ。職場の部下と上司、一般市民と大手メディア、日本と米国、等々...

講演会等のお知らせ

講演 沖縄基地と日米安保の将来
    天木直人氏
日時 1月28日(木) 午後6時20分
場所 JR王子駅北口2分 北とぴあ第2研修室 
問い合わせ 佐野雄二 042-945-6338

講演 鳩山外交に私が望むもの(仮題)
    天木直人氏
日時 2月6日(土) 午後6時開場
場所 蕨市民会館 048-445-7660
問い合わせ 田中和子 048-444-3210

パネルディスカッション-政権交代と憲法改正の行方
    水島朝穂(早稲田大学法学学術院教授)
    天木直人
    平岡秀夫(衆議院議員・民主党)
日時 2月26日(金) 午後5時30分開場
場所 弁護士会館2階 講堂クレオ
    東京メトロ 霞ヶ関駅 出口B1-b
問い合わせ 第二東京弁護士会 人事課 
         03-3581-2257

「キューバ紀行」-堀田善衛(3)

...私の通訳兼案内役として、今度はレナルド・ロドリゲス君という、三十八歳の、いつもは交通局につとめる...役人があらわれた...
「ケネディをどう思ったかね?」
「彼はいろいろわれわれに損害を与えた。ヒロン海岸への侵攻を許したのも彼だった。十月危機も・・・・・・。しかし...ケネディは少なくとも、アメリカの最低の線で事を行ったりはしなかった」
「アメリカの最低の線とは何のことかね?」
「ホッタ氏よ、あなたも知っているだろう。アメリカという国は、いろいろな連中がごちゃごちゃといりまじっている。だから政治家は、誰にでもわかる単純かつ最低の線で事をまとめなければならない。その誰にでもわかる単純かつ最低の線とは、戦争だ!おれはアメリカにいたことがあるから、それをよく知っている」
レナルド君は「ハバナの中学を出ただけで、あとは映画ばかり見て」という人であったが、なかなかの政治評論家であると言うべきであろうし、その評論には、そんじょそこらの評論家どもとは違って、キイ・ウェスト軍港からほんの九○マイルのところに住む人としての危機感と責任感がこもっていると思われる。

...米国というものが、キューバにしてもヴェトナムにしても、とにかく新しく眼覚めた国の人民の希求するものが何かということについて、どういうわけか、それをまともに見ることをしない、あるいはしたくない、たとえば巨大な盲目の象であって、その巨大な象が、キューバの砂糖キビ畑やヴェトナムのジャングルのなかに、メコン・デルタに、かっと眼をみひらいて立っている青年たちを、なにやら薄汚れた、鈍感かつ不器用な手で撫でまわしている、といったイメージをもったものであった。