2009年11月

前ユネスコ事務局長、松浦晃一郎氏

録画していた件の番組(未来への提言「前ユネスコ事務局長 松浦晃一郎~世界の文化を守るために~」)をざっと見たところ、魅力に乏しい人物であった。中身のない空疎な話。
とくに根拠もないが、国連大使の高須幸雄氏にインタビューした方がはるかにマシだったのではないか。
国連と言えば、難民高等弁務官だった緒方貞子氏もよくメディアに登場したが、何か発言にインチキ臭いものを感じたものだった。
また、この空疎な番組にデジャヴ感が湧いて思い出したのが、国連軍縮大使だった猪口邦子氏の「外交交渉」を追ったNHKの番組である。見ていて恥ずかしい内容だった。そこでも交渉相手の心を動かすような言動は何一つ映し出されていなかったように思う。
こういった番組と対照的なのが、例えばブラジルのルーラ大統領を採り上げたドキュメンタリーである。
役者が違うと言ってしまえばそれまでだが;)

外部突起規制

denden5.jpg「でんでん虫」のタクシー表示灯を交換するというニュースがあった。
先端が尖っていて「外部突起規制」法に違反するからとの理由である。
バカバカしい。街の声も「なんでいけないの?」と呆れていた。
新タイプは「違反」しない程度に先端が丸みを帯びているが、交換している運転手さんも「大して変わらないねぇ」と。
実はこの法律、元々自動車の国際基準になっており、それを導入したものである。人が車に接触した際の危険低減が目的とある。
まさに郷原信郎氏が言う思考停止社会-「遵守」に蝕まれる日本-である。

NHK-クローズアップ現代「“言語力”が危ない~衰える 話す書く力~」

若い日本人の言語力(論理的にモノを考え、表現する力)が低下しているという。
耳が痛い話だが(若くもない;)、番組での問題の捉え方や対応策といったものは表面的な気がした。
話の流れがちぐはぐなところもあった。

スタジオゲストの-人間は思想を持ってこそだが、そのための言語力だという認識が弱く、言語力は単なるスキルと思われがちなのがマズい-といった指摘はもっともである。
しかし、ではどうするのかといえば、「竹中平蔵氏や勝間和代氏を目指しましょう!」と言っているように聞こえた。彼らに思想などあるのか?!

また、前回のサッカーW杯で日本が惨敗した件について-仲間に自分の考えを伝える能力の不足が大きく響いた、だから言語力を強化しなければならない-との分析結果を紹介していたが...
単にヘタだから惨敗しただけではなかろうか。中田英寿選手も「必要なのは、先ず技術」と言っていた。イマジネーション、直感力、共鳴力?等、むしろ非言語的な能力の弱さも気になる。

言語力などを持ち出す前に-危ないのは、日本社会では教育現場を含め、精神面で成長できない状況に拍車が掛かっていることだ-と問題提起すべきだと思う。

未来への提言「前ユネスコ事務局長 松浦晃一郎~世界の文化を守るために~」

<NHK-BS1>
放送日時 11月22日(日)PM8:10~9:00

ユネスコ前事務局長だった松浦晃一郎氏へのインタビューらしい。「この10年、世界遺産の保護やユネスコ改革に取り組み、世界で高評価を得てきた」とのことである。
だが、とんだイカサマ番組かもしれない。

11月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の事務局長を退任する松浦晃一郎という外務官僚OBがいる...駐仏大使を経て1999年にアジアから始めてユネスコ事務局長に就任した...日本のメディアは好意的だ...腐敗したユネスコを改革したなどという「功績」がさんざん指摘されてきた...9月21日のパリ発共同通信は米国のアフガン、イラク攻撃の時、歴史的な文化遺産をリストアップして米国の攻撃を回避させた、という「美談」まで報じていた。もっともこれは退任を前にして自ら共同通信のインタビューで売り込んだ話と言うオチがついている...

Modul 46 - Nik Bärtsch's Ronin



「浪人」というバンドを率いるスイス人ピアニスト、ニック・ベルチェ。
時々行く喫茶店で彼の曲がかかっていたのがきっかけで知った。
8月にチューリッヒに行った際、運良く彼らのライブに遭遇する。
小さなクラブだったがゴキゲンな音響で、「これはナマで聴いてこそだ」と思う。
そしてやはり?こういう音楽を聴きに来ているのはクセ者っぽい人たちばかりであった。
終演後に「日本から来ました」と話かけると、日本語の挨拶で応じてくれた。
「遠くからありがとう。11月に新宿で演ります。これはプレゼントです」と、彼のCDを頂く。
演奏中の険しい表情とは違って、実に気さくな好人物である。帰国後お礼のメールを送ったところ、「新宿で会いましょう」との返事を頂いた。